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諸葛亮(孔明) 子を戒める書(誡子書)

諸葛孔明

諸葛八卦村-大公堂



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君子の行(こう)は、静以(もっ)て身を修め、倹以て徳を養う。
澹泊(たんぱく)に非ずんば以って志を明らかにするなし。
寧静(ねいせい)に非ずんば以って遠きを到(きわ)むるなし。
(そ)れ学は須(すべから)く静なるべきなり。
才は須く学ぶべきなり。
学に非ずんば以って才を広むるなし。
静に非ずんば以って学を成すなし。
(とうまん)なれば則(すなわ)ち精(せい)を研(みが)く能(あた)わず。
険躁(けんそう)なれば則ち性を理(おさ)むる能わず。
年、時とともに馳(は)せ、意、歳とともに去り、遂に枯落(こらく)を成す。
窮盧(きゅうろ)に悲嘆(ひたん)するも、将復(はたまた)何ぞ及ばんや。


夫君子之行、静以修身、倹以養徳。
非澹泊無以明志、非寧静無以致遠。
夫学須静也、才須学也。
非学無以広才、非志無以成学。
滔慢則不能励精、険躁則不能治性。
年与時馳、意与日去、遂成枯落、多不接世。
悲窮虜守、将復何及。



 
君子の行(こう)は、静以(もっ)て身を修め、
静:
統一・調整・調和。限りない静かな落ち着きと全(まった)き和。
人生は静と動から成り立っている。
常に動いている心臓、隅々まで脈流する血液、呼吸などの動的な生命活動は、全ての身体器官・機能が見事の統一・調整・調和があり、限りない静かな落ち着きと全き和がある。
優れた機械は、機械音を出してはいるが安定した調和音がある。故障している機械は、がさついた音を出す。不調和があると、不安・矛盾・苦痛などに現れてくる。
統一・調和されているものは意識しないが、乱れだすと苦痛になる。「静」が「動」になり「騒」になる。
りっぱな「静」は、りっぱな「動」と一致する。
ガサガサしないで、荒まないように落ち着いて身を整え、修め、向上させる。
 
倹以て徳を養う。
倹:
徳:
無駄遣いしない。
1.天・自然・親から与えられ得たもの。
2.枝葉(知能・技能)に対する根幹(仁・義・礼・智・信・・・)・本質。
「倹」は無駄遣いをしない事。
「徳」とは
1.天・自然・親から与えられ得たもの。
2.人の徳を大きく四分類
1) 根幹-- 徳性---- 人の本質、根本、根幹であるもの。
人を愛す、正しい事を正しいと言う、尽す、裏腹報いる、助ける、忍ぶ、物を綺麗にする、心を集中する・・・
2) 枝葉-- (1)知能 動的な知の働き知能、静的に言う知性は人間らしい要素。
  (2)技能 技能によって道具・機械・器具を使いこなし人らしい内容を持ってきた。
3) 習慣-- -------- 第二の天性といわれ、躾ともいわれる。
悪習慣はしない、徳を損なうことをしないのは倹で倹徳。
徳を損なう事は慎み倹約するのがいい。多弁で喋る必要も無いのにベラベラ喋る、口が軽いのは徳を損なう。つまらない事を喋らないで徳を養うことが大事。
 
澹泊に非ずんば以って志を明らかにするなし。
澹泊:
志:
(物欲的に)淡白。
理想を追求する精神の動向。
精神的よりも物質的・肉体的意味が強い。物欲というようなものにあっさりしていないと、理想を追求する精神の動向・志が発揮・明らかに出来ない。物欲をあっさりする事で精神性を発揮する。
 
寧静に非ずんば以って遠きを到むるなし。
寧静:
安らかで落ち着いている。
遠きを到めようと思えば、平生に体を落ち着け心身に違和の無い様に、狂いの無い体を作っておかなければならない。
静かな息を出来るだけ保たないと、遠くへはいけない。人生全て同じ。
 
(そ)れ学は須(すべから)く静なるべきなり。
学:
学問
学問をしようと思えば、落ち着いて静かでなければならない。
がさつでは学問は出来ない。
 
才は須く学ぶべきなり。
知識・技術と言われる才能は学習しなければならない。自然に習熟するものではない。
 
学に非ずんば以って才を広むるなし。
学習しなければ知識・技術は広められない。
 
静に非ずんば以って学を成すなし。
落ち着いて静かで、心身が調和していなければ学は成せない。
 
(とうまん)なれば則(すなわ)ち精(せい)を研(みが)く能(あた)わず。
慢:
精:
だらしない、怠けている。
物事の最も本質的な優れた働き。粋。
だらしなく怠けていると、物事の最も基本的なすぐれた働きをみがき働かす事は出来ない。
 
険躁(けんそう)なれば則ち性を理(おさ)むる能わず。
険躁:
性:
理:
騒がしい、がさつ、心がけが悪い。
外面に対する内面。付属に対する本質。
おさめる。
騒がしい、がさつ、心がけが悪ければ、物事の本質をおさめることが出来ない。
 
年、時とともに馳(は)せ、意、歳とともに去り、遂に枯落(こらく)を成す。
枯落: かれ落ちる。
いつのまにか年は経ち、せっかくの意志・理想も抜けて行ってしまう。遂には枯れ落ちる。
 
窮盧(きゅうろ)に悲嘆(ひたん)するも、将復(はたまた)何ぞ及ばんや。
窮盧:
悲嘆:
貧乏暮らし。
身の不幸を悲しむ。
貧乏暮らしの中に悲嘆するも、今さら嘆いてみたところで何になるか。


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