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「小学」に触れる

1 序文       「小学」目次 

(いにしえ)は小学、人を教うるに、灑掃(さいそう)・応対・進退の節、親を愛し長を敬し師を尊び友に親しむの道を以ってす。
皆、修身・斉家・治国・平天下の本(もと)たる所以(ゆえん)にして、而して必ず其れをして講じて、之を幼児の時に習わしめ、其の習(ならい)、知と与(とも)に長じ、化(か)、心と与に成って而して扞格(かんかく)勝(た)えざるの患(うれい)無からんことを欲するなり。・・・
『朱子』
  灑掃(さいそう)…拭き掃除  扞格(かんかく)…矛盾・衝突
  • 拭き掃除、応対、進退のしめくくり、また親を愛し、長を敬し、師を尊び、友に親しむの道は、みな修身・斉家・治国・平天下の本である。
  • これらは幼児の時に習わせる事が大切。
  • 人間は絶えざる練磨によって矛盾・衝突が無くなり、だんだん本能的・直観的・無意識的になる。意識や知性では知ることの出来ない真実の世界・生命の世界が開けてくる。
  • 物事は時間をかけての習熟が必要。体の動作・活動でも修練を加えて、初めて体系的・統一的活動ができる。



2-1 三不祥       「小学」目次

荀子曰く、人に三不祥あり、幼にして而(しか)も肯(あえ)て長に事(つか)えず。賤(せん)にして而も肯て貴(き)に事えず。不肖にして肯て賢に事えず。是れ人の三不祥なり。
『荀子』
  • この三不祥とも、現実に留まり、無限の進歩向上を欲する精神的機能が発していない。
  • 現実に甘んじて、より高きものより貴きものを求めていく心がない。

・「幼くして長に事(つか)えない」事は、幼くして「敬する」ことを知らないこと。「敬」は東洋・西洋哲学で説く一つの基本。
・「愛」は獣でも知り行うことができる。人間が進化してきた一つの原動力は愛と同時に敬する心を持つようになった事。
・現状に満足しない、無限の進歩向上を欲する精神的機能が発して敬の心となる。より高きもの、より貴きものを求めていく心が敬。
・敬の心を持つと、相対的原理によって自ら省みて必ず「恥ずる」心が湧いてくる。恥ずるから慎む。敬は恥や慎みの心を活かす体液。
・愛だけでは「人」とはならない。幼児は物心付くと敬の対象を求める。
・両親がそろっている時は母を愛の対象として、父を敬の対象とし、愛されると同時に敬する。
・しかも幼児も敬されることを欲する。叱りも必要だが「お前は偉い」の価値を否定してはいけない。



2-2 三不幸       「小学」目次

伊川先生言う、人、三不幸あり。少年にして高科に登る、一不幸なり。父兄の勢い席(よ)って美官となる、二不幸なり。高才あって文章を能(よ)くす、三不幸なり。
『伊川文集』
  文章を能(よ)くす…文は飾る、表す。弁が立つ、文才があったり表現が上手
  • 若年にしてどんどん上へあがる。親のお陰で若輩が上級職になる。すぐれた才能があって文章を能くす。

・人でも動物でも植物でも長い間の年期をかけた修練・習熟が要る。インスタントでは成り立たない。
・ 特に幼少時代はできるだけ本人自身の内的部分に充実・大成に力を注ぶべき。
・ 「習、知と与に長じ、化、心と与に成って而して扞格勝えざるの患無からんことを欲する・・・」物事は時間をかけての習熟が必要。体の動作・活動でも修練を加えて、初めて体系的・統一的活動ができる、とある。



2-3 後生(こうせい)の才性       「小学」目次

前輩(せんぱい)(かつ)て説く、後世(こうせい)才性人に過ぐる物は畏(おそ)るるに足(た)らず。惟(た)だ読書 尋思(じんし)推究する者畏るべしと為すのみ。
又云う、読書は只だ尋思を怕(おそ)る。蓋(けだ)し義理の精深は惟だ尋思し、意を用いて以て之を得べしと為す。鹵莽(ろぼう)にして煩(はん)を厭(いと)う者は決して成ること有るの理無し。
『呂氏童蒙訓』
  説く…言うと同じ  尋思…たずね考える  伯る…肝腎
  鹵莽…穴だらけ・節だらけ、整理整頓が出来ていない  
  煩…わずらわしい  厭う…嫌う・いやになる
  • かつて先輩が言った、「後生のうちいろいろの才能のある者は決して畏るに足らぬ」と。
  • 読書は尋思が肝腎である。
  • 義理の精深は大いに心をうごかして初めて遂げることが出来る。
  • 乱雑・雑駁(ざっぱく)で手間ひまかかる事を嫌がる者は決して成ることはなるものではない。

・「義」とは、如何になすべきか、という実践的判断理」的判断。
・「理」とは、その意味・法則。
・人の内面の一番の本質をなすものは徳性で、いろいろの知能・技能はその属性。
・これは天然に具わっているので、性を付けて才性という。こういう付属的な才能は畏るに足らない。



2-4 賢(けん)を賢(たっと)び       「小学」目次

子夏曰く、賢(けん)を賢(たっと)びて色を易(かろん)じ、父母に事(つか)えて能(よ)く其の力を竭(つく)し 、君に事えて能く其の見を致し、朋友と交わり、言いて信あらば、未だ学ばずと曰いと雖(いえど)も、吾は必ず之を学びたりと謂うわん。
『論語』
  色…性欲だけでなくあらゆる物欲の対象  
  • 賢を貴んで物欲など問題にしない。
  • 父母に仕えてよくその力をつくす。
  • 君に仕えてよくその身を捧げ。
  • よく友達と交わり、言う言葉に信がある。
  • こういう人は未だ学ばずと雖も本当に学んだ人と言うべきである。



 


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